| 前回の文学狂男の余韻が残る中。またまた立川志らくさん率いる下町ダニーローズ公演に客演の沙織さん。 今回の舞台は一風変った趣向で行われ、一部が志らくさんの落語「鉄拐」そして第二部としてその鉄拐の世界のその後を演劇化したというもの。 落語を本格的に体感するのはほとんど初めての僕。 それも名人談志さんの跡継ぎといわれている志らくさんの噺だけに、それだけでもきた甲斐があるというもの。 噺そのものは面白いし、本当に聞きやすい。 ちょっと客席に空席があるのを逆手にとって笑いに持っていくなどやっぱり流石っ！ 演目の「鉄拐」は、談志師匠がこよなく愛する噺だそうで、この噺に興味のない噺家に私は興味がないと言わせたほどのものらしい。 中国八仙人のひとり鉄拐が自らの仙術を使い、俗世間の中で人気者になるものの、張果老という仙人の出現により人気が落ち、そのうち俗世間に飲み込まれていく。。。こんな噺だったかな（汗） ここから第二部のその後の舞台につながっていく。 沙織さんの役は、かつて流行った酒場「上海屋」の元女将。女と逃げてしまった主人をひとり待ち続け 狂ってしまっている女リィファ。 またまた難しい役どころでございます。素敵なチャイナドレスに身を包み、その細い身体がいっそう細く 折れそうなくらい。やつれていても妖艶な姿のリィファに美しさとともに(;¬д¬) アヤシイ常軌を逸した姿がよく表れてました。 上演中、舞台の隅でなにかを口ずさみながら視線を中空に躍らせる姿は、夫を想うせつない女心がしっかり伝わりました。 舞台の終盤で夫が現れ正気に返った後の驚愕の展開がそれまでの姿と対照的でひきつけられました。 女優 岩間沙織。前からも女優は女優なんだけど、でもしっかり自分を認識した自信を持ったその姿は ちょっと前までの沙織さんとは違う堂々たる演技になっている。（すいません、偉そうで。。） 前回の文学狂男での自信がそのまま血となり肉となっている。 これまでの沙織さんが本当に楽しみになってきた。 と、ここまでが沙織さんの感想。 舞台の方は、物語はしっかりしている。いろいろなところに笑いもちりばめている。タンバリン芸。すばらしい昭和歌謡。掛け合い漫才のようなやりとり。（なべさん、面白いっす） 役者も、僕ら世代のアイドル北原佐和子、照れてＺＩＮＺＩＮ竹本孝之（サインありがとうございました）、誰もが知ってる森口博子。ダニーローズで毎度おなじみ酒井莉加。文句なし！ でもね、でもね。それだけの楽しい舞台だったって感じ。 訴えてくる何かがあるわけじゃない。涙があるわけじゃない。すかっとするわけでもない。 そういう舞台ではないのだろう。そういうものを求めるのが間違いかもしれない。 でも、前回文学狂男で受けた衝撃、あしたで受けた運命と愛、どん底でのすさまじい驚愕の世界。 なにかしら刺激を受けてきたダニーローズの舞台の中では物足りないっていのが、僕の感想。 でも、ほかの人の感想では概ね好評なんでちょっとゆがんで見ているのかもしれないな〜 |
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